小楠竜也

月曜日「人工言語入門」、火曜日「プログラミングA」「コンピューターアーキテクチャー」、水曜日「社会調査法」「企画制作実習」、木曜日「ゼミ(芸術・メディア・表現)」、金曜日「プログラミングB」「ネットワーク管理」。これは千葉商科大学政策情報学部に通う小楠竜也さん(21)の一週間の時間割だ。四年生にしては多めの授業数だと思われるが「こんなに取る必要はないんですが、四年生になってからプログラミングが急にやりたくなって」という。学部名や授業名だけではどうもわかりにくい大学生の学びの実態だが、小楠さんはどんな勉強をしているのだろう。(文責:渡辺タケシ)

ビートマニアと100円ショップのクラシックCDが音楽の入り口だった

中央線市川駅を降りて北へ20分ほど歩くと千葉商科大学はある。学生が24時間自由に利用できる550台以上のパソコン、キャンパス全域に張り巡らされた無線LAN環境、図書館には県内随一の蔵書量を持ち、充実した情報教育を行う。域経済活性化・市街地再開発・防災まちづくりの調査・分析事業も教育研究の一貫として積極的に行っているユニークな学校だ。

「社会調査法の授業では近くの商店街と提携して売上、客入りを調べてセールを企画したりします」。少しはにかんだ感じの話し方だが、しっかりとした滑舌、語尾までしっかりと聞き取れる受け答えからは誠実な印象が感じられる。

しかし、しっかりとした印象とは裏腹に中学校では不登校児だったという。中学校には「半分くらいしか行っていないんじゃないかな」という。「でも、引きこもっていたわけじゃなくて、図書館でひたすら音楽の本を読みまくり、クラシックのCDを借りて聞き漁ってました」。音楽の勉強をはじめたのは「ビートマニアにハマった」のがきっかけだった。

ビートマニアとはコナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)が1997年に発売した音楽ゲームである。その後、なぜか100円ショップでクラシックのCDを手にとり、クラシックに傾倒していく。「『エリーゼのために』を一曲全て聞いた時にすごく感動して、いろいろ聞いてみようと思って図書館で聞いてました」。ビートマニアと100円ショップのクラシックCDが音楽の入り口だった。

そんな不登校児が高校進学に至ったのは中学三年生の時に家庭教師がついた結果だという。「中学のラストで中学3年間分の勉強をしました」。そんなスパルタもあって高校に入学。「でも、英語と数学を重点的にやったので今でも漢字が書けないし、日本史は全然わかりません」。

高校は「正直、楽しかったです」。「友達の家に行って話し込んだり、軽音で文化祭にでたり」。元不登校児は高校では皆勤賞をもらうことになる。「興味を持ったものを追求していくのは癖なんです」というように、高校での軽音楽部は義務教育の枠を出たところにあったのめり込めるものだった。ちょうどBUMP OF CHICKENが全盛だったという。「バンプに似たようなバンドがいっぱいいました」。高校三年間はバンドに明け暮れる日々を送った。

千葉商科大学へは推薦での入学だった。「自分の視野が広がるような学部を探していました。興味がある分野があって、好きな事を学べそうだと思ったので軽いノリで決めました」。「周りでもクリエーターを目指している人がいたけど、専門(学校)に行くと幅が狭くなると聞いていました。あと、自分が飽きっぽいので、いろいろ学べるのはちょうどいい」との判断だった。大学入学後もバンド活動は続けていたが、二年の時にバンドの解散に伴い休止する。友達、学校イベントに楽曲を提供する作曲家としての活動がメインの音楽活動になっている。

「一生自分が興味を持っていることに取り組んで死ねたらいいな、と思います

現在はメディアを使った音楽の研究している。映像と音楽を組み合わせるなど、従来の音楽だけではなく、他のメディアと融合させた音楽だ。「プログラミング」、「コンピューターアーキテクチャー(コンピューターの仕組み、歴史の授業)」を受講しているのはその為だ。「最近は独学で音楽の歴史も勉強しています。音楽自体が表現の拡張の歴史でした」という。西洋音楽が聖歌から始まり、シンセサイザーが普及し、コンピューターによってあらゆる音がだせるようになった。メディアアートはその拡張の最先端だという。「音楽の歴史の中で、今自分がどこにいて、どこに向かっていくのか研究をしたい」。

大学卒業後は大学院進学を目指している。「一生自分が興味を持っていることに取り組んで死ねたらいいな、と思います」。しかし、「2、3年になってから大学のプロジェクトとか学生の音楽を作ったりしていました。もうちょっと音楽を通して人のためになれたらな、とも思う」という。「でも、ちょっと待ってください。なんか違うんです」。何かモヤっとした目標は、多分、存在するのだろう。「人と違った仕事に就きたいです。自慢できるような。作曲家っていう肩書きはずっと持っていたいです」。

大学にはいろいろな若い才能が集まる。学部名、学科名の一言でそこに集った人を表すのは難しいのかもしれない。「水曜日の企画制作実習で取り組んでいる企画(*)があります。ここ(千葉商科大学)の学生が作ったイラスト、映像作品、その他、着ぐるみなんかの展覧会です。広い視野を持ちたいと思っている高校生は少なくありません。千葉商科にも色々なクリエーターがいます。そして、その事実をもっと表に出すべきだし、学校も支援するべきです」。今年のオープンキャンパスに向けての企画とのことだ。

人生にはいろいろな動詞がつく。「突っ走」ったり、「迷」ったり、人生を「探」したり、人生の壁に「ぶつか」ったり。特に大学生には、ただ、まっしぐらに進めないでいる人も多いのではないだろうか。

小楠さんに関しては、人生の図書館で「座」って研究しているような印象を受ける。それは虎視眈々と自分の進むべき道を固めていっているような。その道は新しい作曲家の、今までにない道なのかもしれない。

座右の品
ノート

中学校くらいからカフェとかで一人でボーッとするのが好きで、思いついたことを書いていた。

【略歴】

1987年8月10日生、東京都出身、東京都江戸川区在住、江戸川区立小松川第三中学校→東京都立向島商業高校→千葉商科大学政策情報学部【星座】獅子座【血液型】O型【家族構成】父・母・兄・姉×2【趣味】パソコンいじり【好きな食べ物】ジャンクフード【嫌いな食べ物】マヨネーズ【お気に入りスポット】高いところ(景色がいいところ)【尊敬とする人】エジソン【好きなタイプ】瞳が可愛い人【嫌いなタイプ】必要以上にいじってくる人【座右の銘】疑うことからはじめる【子どもの頃の夢】発明家

*創作の森…
日程/2009年8月1日・2日・30日。9月以降は未定。
内容/政策情報部のクリエイター学生たちによる作品展です。会場に『創造の木』を配置し、展示者の作品があげた功績を実った『果実』として展示する。具体的には、展示者は作品を置くだけでなく、自分の作品がどの分野にどう貢献したかを写真と説明文で表し、木の造形物(創造の木)に実った果実に見たてて展示します。

TOP
2009-06-29-MON






CATEGORY
恋愛面
人生面
芸術面
社会面
経済面
国際面
スポーツ面