齋藤千陽

二十代というのは、輝かしい変化の時期だ。学生生活、卒業、就職…生活や環境がドラムロールのスピードで変化する青春の日々。ここにも素敵な変化を経験している女性が一人。齋藤(旧姓:塩川)千陽さん(26)は昨年の五月に結婚をした。「出産をしてみたい。“したい”っていうより“してみたい”っていう感じ」。そう冗談っぽく話していた日から一年、もうすぐ新しい家族が増える。(文責:吉田直人)

おとなしい少女“オタク”への決意

「結婚する前と後で、何も変わりませんね。生活は変わったのかもしれないけれど、気持ちは変わらない」。

旦那さんとは大学二年の夏、友達の紹介によって出会った。

交際のきっかけは意外にも彼女のほうからの“猛アタック”。

普段のかなりおっとりした雰囲気とは裏腹に、恋にはかなりアグレッシブなのだろうか。「中学、高校時代はモテたくてモテたくて仕方がなかった」というから驚きだ。

幼少のころは体が弱く、入院したり幼稚園を休みがちだった。友達はいたが、みんなが普通にできていることができずに、「自分は(みんなと)ちがうのかなと思ってた」。

ちょっぴりまわりに馴染めない子供だった。

そんな少女に人生最初の衝撃が走る。

小学校二年生のときに「なかよし」(講談社)で「セーラームーン」の連載が開始したのだ。

齋藤さん曰く、「“私はオタクでいい”って思った。(セーラームーン関連の)見るものすべてが欲しかった。真似をして漫画を描いたり、とにかくすべての情熱をセーラームーンに傾けた。

“モテたい、モテたい”。初恋、失恋、理想の女子高生を目指す

しかし、中学へ入ってからは、がらっと一変。

「なかよし」も買わなくなり、バスケ部に入ってひたすらバスケに打ち込みはじめる。

90年代、日本は「スラムダンク」(集英社)全税期。当時は少年、少女の多くは熱い想いをバスケットボールにぶつけていたものだった。

「私はペーペーだったけれど、うちの部は県内でも強いチームだった」。この頃はまだ、モテたいの“モ”の字もなく体力の限りバスケにのめり込んで行った。

中学三年生になり部活を引退すると、バスケへ向かっていた情熱が別の方向へと向き始めた。

「モテたい!!モテたい!!」。

青春のネクストステージ。少女は恋に目覚めていく。

「だいたい友達の中にませている子っていますよね?その子が年下の彼とつき合っていて、私もそれに便乗して付き合ったんです」。

それまで男の子と話すだけで真っ赤っかになっていた齋藤さんを変えた恋人は「“ジブリ”で何が一番好き?」って聞くと「耳をすませば」と答えるちょっぴり大人っぽい少年だった。

そんな彼氏に、高校一年のときにふられてしまう。大失恋だった。

それでも“絶対にやり直せる! 理想の女子高生にならないと!!”彼女はそう決意していた。

好きな人にモテないと!

高校時代は部活等はやらず、楽しむことが一番で遊び中心で過ごした。

華の女子高生時代。さぞかしモテただろうと推測するが、

「最初に付き合った人が好きだったから、その人に好かれないと意味ないって思ってた」。

“好きな人”に“モテ”なければ意味がない。彼女の発言は、「恋人がいるだけではモテるとはいえないのではないか?」などと論じられている昨今の「モテ論壇」に一石を投じている。

そんな“一途モテ”の齋藤さんがついに恋に落ち、結ばれたのが齋藤亮さんだ。こんな表現をすると私のボキャブラリーを疑われるが、はっきり言って、旦那さん、滅茶苦茶かっこいい。

「美男美女夫婦だよね」と結婚式の二次会参加者たちから溜め息が漏れまくっていたのも頷ける。

「集中力が散漫なのかなぁ。でも映画が好きってのは変わらない」

「お母さんが嫌がるほどトトロを観た」と笑う齋藤さんは、父親が映画好きだったため、小さなころから映画に親しんでいた。

高校時代に岩井俊二の作品とも出会い、ツタヤへ通う日々。映画はずっと好きだった。

大学進学後に悩む。「本当は美容師の学校へ行きたかったっていうのもあるのですが、最初大学がつまらなくて」。一度はやめたいとまで考えた。

「私は集中力が散漫なのかなぁって。まわりは絵が上手な子とか、情熱のある子がいて、それに比べて自分はコレってものが見つけられなくて。常に空中に浮いているもう一人の自分が、自分を客観的に眺めて“この子は何をしたいんだろうなー”と思っているみたいな」。

もんもんとした学生生活。友達と映画セミナーへ通ったり、演劇を観たり、自分の興味を探した。

そんな悩める青春を越えて、今は

「男の人だったら“自分の道を行く”とかあるのだと思ったけど、大学時代から結婚を意識してつき合っていたので」。

ご主人も結婚早く結婚したいと考えている人だった。齋藤さんは大学を卒業後、お金を貯めるために、静岡の実家へ帰り、某アパレル会社へ就職して販売の仕事をした。

学生時代からの交際、卒業後の“中距離”恋愛を経て、揺るがず深まっていった旦那さんとの絆。

「彼とは私は、趣味とかは全然違うんです。趣味とか別々に友達と行ったりします。(恋人が)趣味の合う人だったらそれはそれでよかったかもしれないけど、それよりもリズムっていうか、(この人だっていう)勘が働きました」。

「今は生活とか、家族を大切にしたい」。青春とはたくさんの石の中から自分だけの宝石を見つける時期。あれもこれもほしいと思う時期を経て、だんだん本当に大切なものが残っていく。

「ふつうって何とはあんまり考えない。一人一人、一つ一つ違うし。“気分はどう?”に対して“ふつう”ってくらい。そう考えると悪い言葉じゃないかな」。

少し考えてから、

「しいて言うなら、極端ではないこと、バランスがよかったり、バランスがとれているということ、そんなふうに思います」。

今の心境は?

「子どもが無事生まれたら3人家族になります。それまで夫と2人の空間を楽しんで大切に過ごせたらいいなぁ」。

「今出来ることを自分なりに一生懸命消化していきたい」。今この瞬間に感謝することの大切さを改めて思うようになった。

とはいえ、まだまだ若い。挑戦してみたいことはある。

「やっぱりいつか映画に携わって、エンディングに名前を出してみたい」。

家族も映画も、好きなものは、きっと、ずっと好きだ。愛し愛されて輝きはこれからも増していく。

「夫とジュニアにモテてモテてしょうがない良妻賢母にいつかなりたいものです」。

座右の品
結婚指輪

なくさないように気をつけます!

【略歴】

1983年12月23日生 静岡県富士宮市出身/神奈川県横浜市在住 富士宮市立貴船小(ほか二つ)→同富士宮第三中学校→静岡県立富士宮西高→桜美林大学文学部総合文化学科→アパレル会社勤務→(結婚後)雑貨屋でアルバイト【家族構成】夫と生まれてくる子供【血液型】B型【星座】やぎ座【趣味】映画鑑賞 お気に入りスポット】美術館ならどこでも【尊敬する人】ひいおばあちゃん【最近観たすごくよかった映画】「恋愛睡眠のすすめ」【好きな食べ物】ハンバーグ、ロールキャベツ【好きなタイプ】中性的な人【子供のころの夢】画家→ケーキ屋さん→漫画家

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