松田多記

洋服が大好き、かわいいものが大好き。松田多記さん(24)は見た目も中身も星座も乙女。でも実は江戸っ子で、自分が何が好きなのかを熟知している。趣味は生きていること全て。ブレない乙女のポリシーを訊いてみることにした。(文責・富永玲奈)

自分ありき、けれども排他的ではなく多様性も受け入れる

多記さんにとって「ふつう」とは「場合によるけど…ちょっとバカにする感じで使う言葉」。「ふつうとは言われたくないし、いわゆる一般の人が『私たちはふつう』っていう感じもむかつく」という。その真意は「私がふつうだったら、あなたはヘンな人」という排他的な意味が見え隠れするからだそうだ。「ふつうと言われたくない」というか、ふつうも異常も関係なく、多記さんはきっと1番「自分」でいたいのだろう。会社にだって左右されたくないと話す。

まさに自分ありき、けれども排他的ではなく多様性も受け入れる多記さんの姿勢は、高校時代イギリスに1ヶ月間ホームステイした経験で培われたようだ。それまで外国に特別興味を抱いていたわけはなかったが、初めて日本を離れて異文化の中で生活したことで、ものの見方が一気に変わったと話す。キリスト教への信仰心によって支えられているイギリスの日常や、初めて聴いた外国のロックは、多記さんに大きな影響を与えた。彼女が思っていた以上に世界は広く、いろいろな考え方があり、それまでの日本でのことが全て取るに足らないことに感じられた。多様性を受け入れ、その中でしっかりと自分を打ち出していった経験こそ、今の多記さんを支えているのだろう。

そんな個性的で凛としている多記さんは生まれたときから乙女だった。子どもの少ない地域で一人っ子のこの目の大きな女の子は、周りからちやほやされて可愛がられて育ったという。しかし当時はそれが嫌で、毎日逃げて泣いていた。内気な性格だったようだ。保育園では男の子全員が多記さんに首ったけで、そこだけ聞くとなんとも羨ましい話だがそんなに現実は甘くはない。それが原因で女の子たちからは仲間外れにされ、いつも男の子と遊んでいた。

小学校に入ると女の子の友達もたくさんできた。内気な少女は机の上で踊ったりする人気者に変わった。はっちゃけた、という。

絵画教室、水泳、ピアノ、塾……数ある習い事の中で最も好きだったのはダントツで絵画。学校行事の消防車の写生大会では毎年必ず最優秀賞を取っていたという。そんなこともあり彼女の当時の将来の夢は絵描きになること。美大に行きたくて、美大付属の中学校を受験した。

しかし結果は不合格。だがふつうの中学に行ってよかったと思った。というのも、「やっぱり絵を描くのは職業にしたくないなって。なんか周りに言われなくても描いてられるほうがいいから趣味でやりたいって思ったの」。

ふつうとは、大好きな服を着て大好きな音楽を聴いてライブに行って遊ぶ日々

多記さんのふつうの中学での日々はしかし、とても自由奔放で趣味に生きているものに見える。服のデザインを考えて描くことも始めた。 MILKHYSTERIC GLAMOUR の服が好きで「服の趣味は当時から今も変わってない」し、趣味をベースに交友関係が広がっていったという。好きなものの傾向が確立された時期だったというわけだ。洋服、音楽、買い物など、楽しいことすべてに夢中になった。

そんな彼女なので、「高校は制服の可愛さで選んだ」。が、実際受かったのは滑り止めの学校。だがここで体験した人生の転機ともなる出来事こそ、先に述べたイギリスでのホームステイの経験だった。もし違う高校に行っていたら、可愛い制服を身に纏うことはできたとしても、今の多記さんとはまた違っていただろう。

大学もおしゃれさで選んだ。ちなみに自分でお店を開きたいというビジョンがあり、そのためになるだろうと経営学科に決めたという。これまでの受験経験の中で初めて第1志望の学校に入ることができて、長い通学時間すらも楽しかったと話す。ここは多記さんの好きなロックバンド thee michelle gun elephantの出身校でもあり、このバンドが結成された音楽サークルに彼女も入る。

こうして多記さんは自分の好きなものを迷いなくどんどん選んでいく。そしてそこに道ができてゆく。大学時代はとにかく音楽に没頭し、ライブハウスに入り浸った。そこで出会ったバンドを集め、ひとりでライブイベントを主催するまでに独自の行動力を発揮させた。

多記さん自身の「スタンダード」という意味でのふつうとはこのように、大好きな服を着て大好きな音楽を聴いてライブに行って遊ぶ日々だという。まさに生きてることが趣味。「仕事以外のとき」とも話す。

「きものは好きだし着るけど、『会社』に自分を潰されたくないから『仕事は仕事』、と日常と切り離して考えてる。仕事は非現実。仕事以外のことで思いきり笑ったり泣いたりしたい。いつか洋服とかレコードとか自分の好きな物を売るお店やりたいから、そのためにも今はお客さんをおもてなしする仕事がしたいと思ってこの仕事をしてるけど、毎日すごく勉強させてもらってる。大変なこともあるけど3年目でもまだまだ新しい発見があるから、続けてるんだろうな。『商い』って言葉は『飽きない』から来てるんだって。飽きたら終わり。だから飽きるまでどんどんいいところ盗んでいかないとね(笑)」

座右の品
レッツゴー!サイクロンズ

京都出身の3ピースバンドザ・サイクロンズの作品。大学3年の時ライブで知って、GS(グループ・サウンズ)の音楽を聴くようになった。かっこいい!

【略歴】

1983年8月24日生まれ  東京都練馬区出身・在住 練馬区立関町北小学校→同区立関中学校→私立文化女子大付属杉並高校英語科→私立明治学院大学経済学部経営学科→株式会社やまと【星座】乙女座【血液型】A型【趣味】生きてること(例:旅行・音楽鑑賞・ライブに行くこと・映画鑑賞・読書・買い物・絵を描くこと・切手収集etc…【好きな食べ物】桃・納豆・いくら【嫌いな食べ物】パクチー・セロリ・パセリ【お気に入りスポット】下北沢・高円寺【尊敬する人】草間彌生・加賀まりこ【座右の銘】常に最大限に遊ぶ【好きなタイプ】細長い人【嫌いなタイプ】細長い人の逆【子どもの頃】虫のお医者さん

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2008-08-11-MON






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