伊藤悠紀さん デザイン専門学校勤務

はっとした。忙しい日々のなかで、大切なものを忘れてしまっているときがある。ときには自分の好きなものでさえ、こだわることを面倒になってしまっていることに気づき愕然とする。つい御座なりになってしまう。誰かが決めてくれたものにばかり安心して、「無難だよね?」などと言って自分を納得させたりする。別にたいしたことではないのかもしれない。ただ、彼女の言葉に、はっとしたのだ。「私はちゃんと選んでいたい」。伊藤悠紀さん(30)。デザイン専門学校勤務。嫌いなこと、嘘。(文責:吉田直人)

「服であれ、絵であれ、音楽であれ、表現をする人を尊敬している」

少女はとても早熟だった。いつも周りの人に合わせて気を使っている子どもだった。子どもの世界は狭くて不自由だ。でも彼女は幼いながらに「こういう不自由な世界はいつか必ず終わる。それまでの我慢」と思っていた。だからといって友達がいないわけもなく、暗い青春を過ごしたわけでもなかった。ただ、いつか自由にできるということを何となく分かっていただけ。少女は成長し、大学へ進む。

「それまで世界が狭かったから、大学入学くらいからすごく自由になっちゃって楽しくなった。最近は、ますます人に合わせなくなっている気がする」と笑う。「いいと思っていないものをいいと言ったりとか、好きでもないものを好きと言ったりとか、そういう小さなことでも嘘はつきたくなくて。そういうのって分かっちゃうから」。たとえ相手が子どもだろうと、嘘をつかない大人を貫く。早熟な少女は格好いい大人の女性へと成長したのだ。

昔から服が大好き。最近はあまり読んでいないが、ピークだった学生時代はファッション誌を毎月10誌は読んでいた。「服であれ、絵であれ、音楽であれ、“表現をする人”を尊敬している。そういう世界を目指している学生の子と関わっている今の仕事は、なかなかよい刺激になる」。

「知らない世界を見せてくれる人がいい。予定調和なかんじは嫌」

「“面白いことをしている人”は自分を面白いところに連れていってくれるので意図的に流されてみることしている」と話す伊藤さんの恋愛観とは? 「もちろん、ある程度の共通点は必要だとは思うけれど、自分の知らない世界を見せてくれるような人がいい。予定調和なかんじは嫌」。“人としてのバランスがとれた人”よりも、“一つ突出した力を持っている人”に魅力を感じる。「今の彼氏も自己中な人だし」と笑顔で話す。

「表現する人を尊敬しているのは、誰もが子どもの頃は知っていて、でも忘れてしまっているようなことを大人になるまで覚えていて、しかもそれを作品にしているから」。伊藤さん自身は何かを表現したり、作品を作ったりしないのかという問いには、「私はすぐに忘れちゃうから」と苦笑する。

「すぐ忘れちゃうけれど、そういう映画とか作品を見たら思い出すから、私もそのくらいの感性は持っているみたい。ずっと持っていきたい」。

「一生のうちにできる食事の回数が決まっているのと同じように、一生のうちに着られる服も決まっているでしょう? せいぜい一日一着とか。だから私はちゃんと選びたい」。どんなことにも真剣に答えてくれる伊藤さん。“嘘のない”彼女の言葉の節々に素敵に生きるヒントが見え隠れしている。 人生は一度きり、どんな瞬間もきっと一度きり。ちゃんと“選ばないと”損しちゃいますよね?

座右の品
ノルウェイの森

高校生のときに読んで、当時自分が悩んでいたもの、もやもやとした自分の中にたまっていたものの答えが、少しこの本の中にあった気がした。タレント以外ではじめて好きになった人が村上春樹。

【略歴】

1977年4月15日生 30歳 三重県松坂市出身 東京都世田谷区在住 松坂市立中川小学校→松坂市立姫野中学校→県立津西高等学校→立教大学経済学部経済学科→デザイン専門学校勤務(現在2社目)【星座】おひつじ座【血液型】B型【家族構成】父母姉【趣味】(外は暑いので)映画を観るなど室内で過ごすこと【好きな食べ物】フライドポテト【嫌いな食べ物】らっきょう【お気に入りスポット】下北沢 高円寺の温泉【尊敬する人】表現をする人【好きな言葉】「ときめきたいったらありゃあしねぇ」【好きなタイプ】ロマンチックな人【嫌いなタイプ】自分で考えて決めない人【子どもの頃の夢】アナウンサー(卒業文集に書いてあったが記憶なし)

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2007-07-09-MON






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