マリエヴ・メトット 英語講師 カナダ人:

「自分でも何故かは分からないんですが、気付いた時から日本に惹かれていて、いつか東京に行きたいなあと思っていたんです」。こう言われると日本の国際的なイメージも随分変わったものだなと思う。「自分と違うもの、違う文化、違う発想とか、そういった“違い”が好きなんです」と、ハイブリッドな文化土壌を伺わせるマリエヴ・メトットさん(27)は、カナダはケベック州モントリオール出身の教養豊かな英語講師だ。(文責:保科時彦)

フィアンセの薬物依存、破局し日本へ

モントリオールは世界有数の多民族共生都市だ。ケベック州の主要言語はケベック語(フランス語)で、彼女の母語もケベック語なので、今はフランス語方面の講師の仕事も検討しているそうだ。「英語の仕事は見つけるのは簡単」という。「週五で1歳から14歳までの子どもに教えてます。今は千葉、茨城まで行ってますが、以前は埼玉、横浜、富士山の方まで教えに行ってました」というから結構ハードワーカー。自分の生活費・滞在費は自分で稼ぐという独立不羈(どくりつふき)の精神の持ち主だ。「女の人の中には金持ちの男性を好む人もいますが、私は男性に(経済的に)依存した生活はしたくないですね。仕事より愛の方が大切だと思いますが、家庭に入って専業主婦というのは無理です。私は個人主義者なんで、自分のことは自分でしますね」という。

そんなマリエヴさんの渡日には悲しい失恋が切っ掛けになっている。「実は6年間付き合っていたフィアンセと別れたんですよ。それで身軽になったんで、渡日できたんですけれど。一緒に日本に行こうかという計画もありました。2005年の夏ごろ、赤ちゃんを作ろうとしていたんですが、同じ時期に国連大学のコンクールを受けていたんです。そのコンクールに合格すると三ヶ月間クルーザーで世界各国を廻ることになるんですけど、それを知った彼氏が激怒しちゃって」。確かに彼氏の立場に立てば、これから子どもを作ろうとしている時にパートナーが一人で世界の旅に出てしまえば、自分は一体何なのだと自問せざるを得なくなる。

「コンクールには落ちちゃったんだけど、彼氏はそのショックを引きずって薬物に依存するようになってしまったんです。2006年7月まで彼とはごたごたしてました。『日本に行って、プロポーズさせてくれ』とか、『辛いからもうお前のことを忘れさせて欲しい』とか支離滅裂なことを要求されましたね。彼も相当辛かったんだと思います」。それ以来彼とは連絡をとっていないとのこと。「周囲からは堅実なカップルとして理想視されていたんで、私の失恋は周りの友人達にもかなりショックだったようですね」。置いていくしがらみも無くなったので2006年10月に日本にWH(ワーキング・ホリデー)でやってくることになった。

「結婚はカナダではもうあまり流行ってない」

その後マリエヴさんはすっかり吹っ切れたのだろうか。「今でも彼のコトは好きですけど、彼にはもう新しい生活もあるし、今私がまたコンタクト取れば、彼の情緒不安定に油を注ぐことになるのが目に見えてます。愛してるゆえの別離です」と話す。マリエヴさんの歴代の彼氏はみんな精神が繊細で病み易く、精神病で入院してしまった人までいるという。確かに天才とかアーティスティックな感性を持っている人はよく精神を病み易いという説があるが、マリエヴさんの方は至ってタフとのこと。

結婚願望があるかとの質問には「結婚そのものはあまり重要ではないです。結婚はカナダではもうあまり流行ってないし、2年間同棲していれば夫婦同等とみなされます」と答えてくれた。フランスのパックス法もそうだし、イギリスのパートナーシップもそうだが、結婚を“ゴールイン”と呼んで止まない日本人にはまだまだ斬新な発想だ。

色んな国の色んな人が色んな文化を形成しているが、かつては個人の文化はその人の文化圏が決定してきた。本当の国際化とは全ての文化は同価値であるという前提のもとで、色々な文化を見聞きして、その上で自分が一番あうと思った文化を自由に選ぶことができることなのではないだろうか。

そう、それは親から生まれた子どもが、その親を尊敬し、対立しながらひとり立ちし、今度は自分が新たな親になるように、、、。。

座右の品
トーク・トゥ・ハー

悲しい話なんですが、オリジナル性、人間関係の奥深さ、コンプレックスをよく表現していると思う。

【略歴】

1979年12月21日生まれ 27歳 カナダ、ケベック州ポール・カルティエ生まれ 東京都渋谷区代々木在住 エコール・デデュカシオン・アンテルナショナル(小学校)→エコール・ド・モルターニュ(中学)→CEGEPサン・ティアサント校(高校)→CEGEPデュ・ヴュー・モンレアル校(高校)→ケベック大学モントリオール校(心理社会学、人間関係コミュニケーション学)→Festival of rueのデヴェロップメント・マネージャー四年→多民族地域の新移民に対してコミュニケーションの方法、情報を扱うプランナー1年→2006年10月以降渡日→英語講師【星座】射手座【血液型】知らない【趣味】エッセー、韻文、短編小説を書くこと。いつか小説を出版したい【好きな食べ物】ベトナム料理、アジア料理、とろ火で煮た料理、甘いもの、メープルシロップ、玉子、サラダ、肉【嫌いな食べ物】ファーストフード、脂っこいもの、タコ【お気に入りスポット】神社、寺などの信仰の場【尊敬する人】フランソワーズ・モレシャン(ファッション・エッセイスト)、グレゴリー・コルベール(写真家)、エドガー・モラン(心理社会学者)、ポール・リクール(解釈哲学、心理哲学者)(蛇足になりますが、モラン、リクールなどは現代思想の系譜からいうとかなり通好みの学者と言えます)【座右の銘】Choisir ce qui me fait plus peur(自分が一番怖いものを選べ→「しり込みしないで勇気をもって行動せよ」の意)【好きなタイプ】エキセントリックな人、ユニークな人、頭がいい、自分と違う人、エキゾチックな人【嫌いなタイプ】心の狭い人、人種差別する人、判断の軽率な人【子どもの頃の夢】服飾、帽子デザイナー

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2007-07-09-MON






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