アドリアン・ピエラールさん パリ第六大学

黒いコートに編み上げブーツ、そして黒いソフト帽というのがアドリアン・ピエラールさん(23)の独特な雰囲気にマッチしている。トレードマークのパイプをゆったりと燻らしながら流暢な日本語で話しだす姿は実年齢よりずっと大人びている。現在パリ第六大学(ピエール&マリー・キュリー大学)にマスター2として在籍し、情報科学を専攻するフランス人、親日家でもあり愛国者でもある。母語であるフランス語はもちろん、英語、日本語も自在に操る語学愛好家。そしてギター、ピアノ、ドラム演奏だって出来るマルチな才能を持った青年である。(文責:保科時彦 パリにて)

パリの名家出身、外科医志望から情報科学へ

パリ近郊の高級住宅街ヌイーイ・シュール・セーヌの名家の四人兄弟の末っ子として生まれる。この地で教育熱心な両親から英才教育を受け、ヌイーイの名門・パスツール高校に進学する。本人は現在無神論であるが、このとき授かったカトリック教育が今の自分を形成しているという自認はあるそう。一例として「世界に対して開かれている環境を享受できたことが今の語学熱につながっている」そうだ。

そんなアドリアンは小さい頃、医者になりたかったらしい。「それも何故か外科医」そういえば出身高校の名前にもなっているパスツールも狂犬病のワクチンを見つけるなどの業績がある優秀な医者だった。その時期から今まで数学が大好きで、「その延長線上にある情報科学に自然に行きついた」。今はフランスの最高学府の一つでもある高等師範学校(エコール・ノルマル・スュペリュール)の授業にも出席して着々とそのキャリアを重ねている。去年は短期で東北大学にも留学していた。「将来は研究者になりたい。ついでにお金持ちにもなりたい」という。

19歳頃から日本語を勉強するため東洋語学校に通い出す。フランスでは同時に幾つかの大学に通うことは珍しくなく、好きな時に(ある程度)好きな専攻を選べるので、複数のディプロム(修了証書)を持っている人も多い。学費も年間の光熱費くらいしかかからないうえ、給費奨学金の制度が日本に比べかなり充実しているので、日本のように学生がその時間の大半をバイトに費やす必要はなく(親から完全に独立している学生は別)、経済的にも時間的にも余裕を持って自分に何が向いているのかを模索することが出来る。

日本語はめきめき上達するも、進級するのに手こずり、ディプロムをとる前に中退してしまう。日本語能力試験2級を持っているが、喋っている限りではディプロム保持者よりよっぽど滑らかな日本語なのだが。中退して以降も、日本人の知り合いは多いので、日本語力は衰えるどころか益々上達している。

フランスは今変動の最中にある。大統領選を目前にし、フランス国民たるもの母国の現状を憂う気持ちもあるようだ。フランスの政変はEUの盟主の一国として、国境のボーダーレス化する世界に多大な影響を及ぼすだろう。これからのフランスも世界の未来も、そしてこの青年の将来も発展の真っ最中、まだまだ目が離せない。

座右の品
アルジャーノンに花束を

これは昔に読んだ本ですが、泣くほど感動しました。この本は実に心の琴線に触れます。 非常に象徴的な重要性を持った本です。 社会の関係も、社会の偏見もよく示している名著です。

【略歴】

1983年9月29日生まれ 23歳 ヌイーイ・シュール・セーヌ出身 同地在住 ヌイーイ・パスツール高校→パリ第六大学(ピエール&マリー・キュリー大学)現在マスター2(日本と履修システムが違うので正確な対比ではないが、だいたい博士課程の一年目に相当する)、INALCO中退、高等師範学校(エコール・ノルマル・スュペリュール)科目履修生【星座】天秤座【血液型】?(フランス人は普通自分の血液型を知らない)【家族構成】父母兄姉2人【趣味】語学。タイ語を勉強してみたい【好きな食べ物】納豆、カルピス、酒、和食全般【嫌いな食べ物】焼いた魚、シュークルト、芽キャベツ、うなぎ【お気に入りスポット】京都嵐山 【尊敬する人】ジェイソン・ベッカー(ギタリスト)【座右の銘】メリット(当然あるべき報酬の意味。ここでは労働の質、本人の才能、能力に応じ収入が比例することを含む。均質な賃金体系に対し批判的。健全な状態での格差社会を志向)【好きなタイプ】黒髪直毛、切れ長の目、スタイルのいい人【嫌いなタイプ】下品な人、下らない人【子どもの頃の夢】外科医

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2007-01-11-MON






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