佐藤充

秋晴れの土曜日、バーベキューやレイヴ、コンサートイベントで賑わう多摩川河川敷、ハッピーな空気で満ちている。前出の橋本健太郎さんの敢行したイベント“人……、人が好きバーベキュー@二子玉”で下高井戸幕府の将軍という異名をとる男、佐藤充さん(26)はお酒で酔っ払いながら、上機嫌で取材に応えてくれた。今回はその様子をそのまま伝えようと思う。(聞き手:保科時彦)

「ないよ。悩みない。ハッピーだよ。まじハッピー!」

保科時彦(以下保)「いやあ、みっちゃん酔ってるねえ」

佐藤充(以下佐)「酔ってるよお。大丈夫かな、こんなんで、ちゃんと話せるかね」

「大丈夫だよ。じゃあまず、みっちゃんはグラフィックデザインの仕事をしてるわけだけど、何でグラフィックに興味を持ったの?」

「もともとデザインが好きで、高校の時は何が具体的にしたいかよく分からなかったから、選択肢があるデザイン科に入ったんだ。若い頃は何でもやりたいから一つに決められないじゃん」

「そうだね」

好奇心が強くてね、一個でも知らないことがあったら、それに対して興味を持つんだよ。やりもしないのにつまんないとか考える人に対しては『何で?』って思う。俺は趣味が多いんだよ。いろんな文化を吸収して、それを話しの取っ掛かりにして色んな人と仲良くしたいんだよね。友達もできるし、やっぱり知らない人と触れ合うのが好きなんだよね」

「子どもの頃はどんな感じだったの?」

「こんな感じだよ。アグレッシヴでしょっちゅう怪我してるような子ども」

「大学生の頃は?」

「このまんまだよ。大学一年の時にハシケンと風俗に行ったね。ふつう大学一年じゃ風俗行かないでしょ? それも好奇心だよ。行ったこともないのに判断するより、そういうところでもまず『どうなってるんだろう』って好奇心を持つことが大切なんだよね」

「風俗!? これ書いていいの?」

「いいよ、ちゃんとハシケンとって書いてよ。でもそれって音楽でも何でも同じで、なにもしないうちから拒否するんじゃなくて、一回は試したほうがいいってことだよ。食わず嫌いはよくない。友達もそうだけど、昔は自分の興味のある人しか話し掛けなかったけど、話してみると、一見暗いように見えるひとも実は俺が全然知らないことに超詳しかったりして面白いんだよ。やっぱり自分も知りたいって思えるようになったし、自分で世界を狭くしてもいいことないっしょ」

「なるほど、でもまあ、みっちゃんは交友関係が広い割りに、恋愛に関しては一途だよね。最近彼女ができたんでしょ?」

「一途だよ!もともと惚れにくいんだ。女友達も多いけど恋愛対象に見てないし。ようやく彼女できたよ。自分の友達と自分の彼女が仲良くなってくれるのは嬉しいしね。自分の友達って自分の気の合う人でしょ? だからそういう人を彼女に知って貰うことって自分をもっと知ってくれるってことだから嬉しいんだよね」

「それはそうだね。何か普段心掛けていることってある?」

「あるよ。年齢的にこの年になると新しいことに挑戦することに抵抗ってあるじゃん。でもどんどん新しいことに挑戦するようにしてる。最近ポイ(大道芸の一種で、長い帯状のテールがついた一組の布製の弾に紐を付けて、手で振り回す。レイヴ会場などでよく見られる)を始めたよ。自分の趣味と他人の趣味で共鳴できる部分があれば、その人を通して自分の世界が広がるじゃん。人が好きっていうのはそういう意味。可能性なんて自分次第でどんどん開くし、とにかく何でもやってみることが大切だと思う」

「彼女は交友の広さを理解してくれる?」

「してくれるよ」

「彼女って、みっちゃんにとってどういう存在?」

「一緒にいて言葉にできないものを感じる。何も考えなくても一緒にいて楽しいし、楽だし。そんな感じ」

「みっちゃんと言えば人情に厚いわけだけど、それはどういうところから来ているのかな?」

「そうだね、ウマの合う友達と楽しいことができれば最高ってことだね。このパーティーだって自分ひとりじゃここまで大規模にできなかったし、まず、自分が楽しんで、それで周りも楽しいと思ってもらいたいわけ。去年までは自分がよく分かってなかったんだよね。みんなが楽しむことが第一で空間を創っていたけど、周りからも自分を過小評価してるって言われてたし、そこは変わったね」

「何かコンプレックスとかはある?」

「うーん……。ロリコン

「そっちのコンプレックスね。何か悩みは?」

「ないよ。悩みない。ハッピーだよ。まじハッピー!」。

この辺りで取材を切り上げると、彼は僕を連れてすぐ横のミニ・レイヴのブースに駆けていった。まったく知らないグループが主催しているこのパーティーで、知らない人とハイタッチしながら、缶ビール片手に無邪気に笑う。

夕日が沈んでゆく多摩川には夜の灯が燈り始めていた。彼は僕の肩を抱き、あらゆる色が溶け合ったパレットのような風景を指差してこう言った。

「あれ、まじキレイじゃね? な、ほっしー、こういうことだよ。俺が伝えたかったのはこういうこと」。

座右の品
パーフェクト ワールド

ぶっちやばすぎ!

【略歴】

1981年8月5日生まれ 26歳 東京生まれ、福島いわき市育ち 東京都杉並区在住 いわき市立錦東小→錦中→茨城キリスト教学園高等学校→拓殖大学工業デザイン学科グラフィック専攻→グラフィック広告デザイン会社【星座】獅子座【血液型】A型【家族構成】父母兄兄【趣味】パーティー、お酒、レイヴ、音楽【好きな食べ物】anuanuaのタコライス【嫌いな食べ物】ない。雑草でも食べる【お気に入りスポット】いわき市【尊敬する人】家族【座右の銘】「人……」【好きなタイプ】自分にないものを持っている人【嫌いなタイプ】すぐ諦める人【子どもの頃の夢】特になし。ハッピーならそれでよし!

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2007-11-12-MON






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