柳沼翠: 東京ふつうの人新聞

「ART ARAQ ASIA」というユニットで絵画の展示会の開催、高校時代から続けているライブイベント「Onion Head」。自身も絵を描き、クラブでのライブペイント、年明けにはハーフだけで構成されているアーティスト集団「Harts」のイベントにも参加。そして、新宿のバー「ル・タン」にてアートイベントを毎週日曜日に開催。毎週である。「身長は…150cmあるかな…」とはにかむ柳沼翠さん(24)。小さな体から溢れ出るエネルギーに驚かされる。(文責:吉田直人)

「私にとって“ふつう”のことは絵を“絵を描くこと”」

柳沼さんの“ふつう”の一日。

夜間はアルバイト、朝帰宅後にそのまま所属している「ART ARAQ ASIA」の仕事。昼過ぎにようやく睡眠をとり、夜はまたアルバイトに出かける。「私にとって“ふつう”のことは絵を“絵を描くこと”。絵を描くことが唯一の表現方法。自分を表に出せるものは絵しかないから」

ライブイベント、展示会の開催など、アクティブな柳沼さん。活発な子どもだったのかと思わせるが、中学生までは内向的だったと話す。「いじめがあったりして人間不信でした。私が育ったところは田舎で、狭い世界の人間関係やそういう田舎的な考え方にどうしても馴染めなかった」。高校からは心機一転、同じ中学の学生のいない離れた高校へと進み、卒業後は東京の専門学校へ進学した。「何かをやりたい、というよりもとにかく東京へ行きたかった」。ライブに行くようになると髪型をボウズにしたり、ソフトモヒカンにしたりと大好きな音楽との出会いが彼女の“勢い”の元だったのだろう。

晴れて念願の上京を果たした柳沼さん。学校やイベントに出演したバンド関係で友達が増えていき楽しく過ごしていたが、専門学校を卒業後は「自分は何がやりたいのか」東京へ出てきたのに何をしているのだろう、となやむようになっていた。2年間フリーターをして過ごしたころ、学生時代の友人に「展示会をやろうよ」と誘われたことが、今の活動の原点で“絵”との出会いだった。

「今でも親からは帰ってこいって言われるんですけどね」

「専門学校では服飾、高校時代は美術専攻だったが、どちらといえば商業的もので合わなかった」絵を描き始めたのは展示会をするようになってからだと言うから驚かされる。「3年やってきてやっと、描きたいものがわかってきた」子どもの頃の夢は“保母さん”。子どもが好きな柳沼さんは“母性”をモチーフに描いている。「イラストレーターのように何かの媒体に描いたりするのではなく、あくまで作品を描いて、それを売っていきたい」今年五月に行われたデザインフェスタで、実際に絵を売ることができた。

「今でも親からは帰ってこいって言われるんですけどね」と苦笑い。「ただ、私は根拠のない自信があって、“何をそんなに心配するんだろう”って思ってしまうんです」といたずらっぽく笑う。遠くで一人暮らす娘を両親が心配するのは当然だろう。ただ、彼女は見つけたのだ。ずっと馴染むことができなかった田舎を出て、自分が自分らしくいられる場所を、そして、そんな自分を表に出す表現を。

“自分を表に出せるのは絵だけだから”

以前、何かの公演で有名な編集者が「“表現”というものは、それをしなければ生きて行けない、というくらい切羽詰まったものだ」というような話をしていたのを思い出す。表現を仕事にしていくこと、その中でも絵を仕事にしていくことは困難な道だろう。だが、柳沼さんのキャリアはまだ3年。これからどのように進化していくのかはまだまだわからない。可能性は未知数だ。彼女の行っている活動によってアートがもっと身近になっていくことに期待したい。

好きなタイプはギャップのある人。「ちょっと“ツンデレ”みたいな」現在は忙しくて、恋愛をしている余裕がないというが、「彼氏がいるときは、絶対にかっこいい人なんですよ!」と彼女の友人は話す。

「今の目標は“絵の仕事だけで食べていけるようになること”」。強い意志を瞳の奥に覗かせながら、彼女は今日も、イベントの準備に向かって行った。

座右の品
作品「母」

“母性”をテーマに描くきっかけになった作品

【略歴】

1984年4月3日生まれ 福島県須賀川市(旧:岩瀬村)出身/東京都中野区在住 岩瀬村立白江小→岩瀬村立岩瀬中→福島県立光南高等学校総合学科美術専攻→トップモードアーティスト学院→フリーター→展示会をきっかけに絵を描きはじめる→「ART ARAQ ASIA」【血液型】0型【星座】おひつじ座【家族構成】父母弟猫【趣味】ライブ鑑賞、買い物【お気に入りスポット】沖縄(海があるところ)【尊敬する人】頑張ることができる人【好きな食べ物】白米【嫌いな食べ物】いくら【好きなタイプ】細くて、筋肉がちゃんとついている人【嫌いなタイプ】上からしかものを言わない人【座右の銘】「行く言葉が美しければ、来る言葉も美しい」【子どもの頃の夢】保母さん

【ホームページ】 DORI’s Art Workhttp://dori.okoshi-yasu.net/

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2008-12-01-MON






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