DMF 中村麗香: 東京ふつうの人新聞

“何かの欠落”と引き換えにのみ持ち得る純粋さがある。
病であったり、記憶がなかったり、運命を握られていたり……透明で一点の曇りもないということは現実世界では逆に狂気じみてすら見える。危ういバランスの上にだけ成立するものの美しさ。

そんな、女性を演じさせたら今、彼女の右に出るものはいない。

舞台を中心に、音楽ライブなどでも演じ、その可憐さと表情豊な芝居で活躍中の中村麗香さん(26)。舞台上の彼女は、ときに母親のように優しい声で語り、ときに子どものように無邪気な表情で笑い、人々を魅了しつづけている。(文責:吉田直人)

「劇団ひまわり」で初舞台、演劇の魅力にとりつかれる

彼女が所属している劇団「D.M.F.」の舞台は登場人物が多い。象徴的な性格を持ったそれぞれの人物たちによって描かれる世界の中、彼女の演じる人物の“存在”の特異性は、それらすべてに対するアンチテーゼのようい映る。ファンタジーでありながら、メッセージ性が強い「D.M.F.」の作品に欠かせない役者の一人だ。

「“役者をやっていこう”と決めたのは高校卒業後」。
高校一年のときに、当時所属していた「劇団ひまわり」で初舞台を踏んだ。入団したのは中学時代「テレビに出てみたいとか思っていたけれど、そんなの関係なくなってしまうくらい、舞台が楽しくなってしまった」。週に2回、夜19時〜21時まで、部活動のような気分でやっていたと懐かしそうに目を細める。

進路を考えたとき、子どもが好きだったので保育の道へ進もうかとも考えた。実際、まわりの友達は専門学校へ進む人が多かった。それでも彼女は役者の道を選ぶ。

その頃「劇団ひまわり」は、テレビの仕活動がメインになっていった。舞台をやりたかった中村さんはそこでひまわりを去る。「ぴあ」の後ろのほうのページに載っている公演情報を見て、おもしろそうなタイトルで自分のおこづかいで観に行ける公演を観てまわり劇団を探したが、結局どこへも入らず、客演を続けていた。

「ひまわりの大人クラスに残るとか、ほかの道もあったのかなとか思うときもありました。ひまわりをやめるときに『もうやめるのか…』お父さんがぽつりといって。せっかくお金を出してもらったのに3年でやめてしまった。そのとき、“別の道に行っても成果を残さないといけない”という思いが出てきました」。

現在所属している劇団「D.M.F」との出会いは18歳のころ、客演先で偶然代表の宮城陽亮さんと出会う。当時、中村さんは“歌のお姉さん”のオーディション中「キャストを探しているので、まずは観に来てほしい」と言われ、観にいったことがきっかけだった。

趣味は長距離散歩、新宿から多摩センターまで歩くことも

“役者一筋”の中村さんだが、舞台の外ではどんな女性なのか。

「団員と待ち合わせをしたことがあったらしいんですけど、そのとき麗香の携帯がとまっていたらしくて…団員が仕方なく構内アナウンスで呼び出したってことがあったみたい」と中村さんの友人の証言。平成のご時世に、携帯電話なしで待ち合わせに行くとは実にマイペース。大物の予感を感じさせる。そもそも滅多に連絡がつかない。「彼女は根っからの女優なんですよ」と次回公演のプロデューサー。「ブログをするために携帯新しくしたんです!」と嬉しそうに話していた彼女にとって携帯電話はブログを更新するためのツールらしい。

「趣味は長距離散歩」という。どのくらい長距離かというと、新宿から多摩センター(京王線)まで歩くほど。「終電逃したときに、歩いて帰るのと始発、どっちが勝つか試したかった」。なんともオリジナリティー溢れる発想。「ぎりぎりで私が勝ちました」。勝ててなによりだ。

「今は本当に舞台が好き。お客さんの反応がくるっていうのもあるけれど、そのときによって感情も違って、“これもあるんだな”みたいなものを生でお客さんにぶつけていけるから」。

取材の間中「仲間が大切」と話していた中村さん。
演じているとき、劇団員や関係者だけでなく、観客も含めて仲間なのだろう。まさに“Dear My Friend”の名の通りだ。

舞台はテレビや映画ならとくらべれば、少ない人にしか観てもらえない。ただし、演じているほうの気持ちも、観客も、毎回少しずつ違って、その場所で、そのときにしか生まれない魅力というものがある。それを共有する人々全員が“仲間”になれる。

そんな中村さんの次回出演作は「LAST SMILE」(2008年10月24〜26日/中目黒ウッディシアター/プロヂュースPRISMATIC)。

“一つ公演が終わったら、その時点で次の芝居のオファーをもらえるくらいでないといけない”仲間はみなライバルでもある。「やっぱり、ヒロインをはずされるとくやしいって思いますからね」。のんびりした性格のようで、内に秘めた気持ちは強い。

「最近、もう少し欲を持たないといけないかなって思っています。たとえば、もっとちゃんとスキンケアとかして、きれいになりたいとか…」。 いえいえ、あなたは十分きれいです。だから、どうか“夜のお散歩”は気をつけて。

座右の品
天使なんかじゃない

この作品に出てくる登場人物は子どもだけど、大人ですよ! 泣いてばっかり、怒ってばっかり、好きな人を想って…(このお話は)恋愛なんかじゃない!!仲間の話です!!

【略歴】

1982年3月2日生 秋田県能代市出身/埼玉県入間郡在住 毛呂山町立泉野小→毛呂山町立毛呂山中→(劇団ひまわり)埼玉県立坂戸西高→某大手印刷会社の工場勤務→役者→劇団「Dear My Friend」(現:D.M.F.)入団(2003年〜)【星座】うお座【血液型】O型【家族構成】父、母、姉2人【趣味】長距離散歩【お気に入りスポット】カフェ【好きなタイプ】心があったかい人【嫌いなタイプ】つめたい人【好きな食べ物】マンゴーの…あれ、乾いた…ドライフルーツです【嫌いなもの】ニラのみそ汁(ニラレバは好き)【座右の銘】継続は力なり

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2008-10-06-MON






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